- Q1. 福祉サービス利用援助事業はどのような人が利用できますか?
- 認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者などで判断能力が十分でない方、判断能力に不安のある方を対象としています。
認知症のある高齢者や知的障がいのある方、精神障がいのある方などで必要とする福祉サービスの情報を自分で集めたり、利用の手続きを行うことが難しい方や、金銭管理を行うことが難しいため日常生活がうまく送れない方などです。
※判断能力が不十分な方とは、認知症と診断された高齢者、療育手帳や精神保健福祉手帳を有する方に限ったものではありません。 - Q2. 施設に入所している方や、病院に入院している方は利用できますか?
- 利用可能です。
特別養護老人ホームへの入所契約や病院への入院契約などはできませんが、入所・入院されている方をこの事業で支援することは可能です。 - Q3.契約締結能力はどうやって判断するのですか?
- 「契約締結ガイドライン」により、この事業の利用契約を行うために必要な判断能力の有無を確認します。
「契約締結ガイドライン」で、①一般的にごく基礎的なこと(名前などの基本情報や見当識)が理解できているか、②自分の現状(生活状況の概要や援助の必要性に関する認識)がわかっているか、③契約の意思の確認などを行い、総合的にみて基幹的社会福祉協議会の専門員が判断します。
契約締結能力について専門員で判断ができない場合は、山形県社会福祉協議会に設置されている「契約締結審査会」で判断します。契約締結審査会は弁護士、医師、社会福祉士、精神保健福祉士、学識経験者により構成されています。 - Q4.契約は誰と結ぶのですか?
- 契約は、「利用者ご本人」と「お住まいの地域の基幹的社会福祉協議会」、「山形県社会福祉協議会」の三者で契約します。
- Q5.家族と暮らしている方(一人暮らしでない方)でも契約できますか?
- 可能です。
この事業の契約はご本人と社会福祉協議会の契約になります。
ご本人の代わりに家族が契約することはできません。しかし、支援に関しては家族などの協力はよりよい支援のために必要な場合があります。契約内容や実際の支援状況を家族の方に報告し、家族との連携を図っていくことは大切です。 - Q6.財産管理をしてもらうことはできますか?
- 財産管理はできません。
この事業では日常的な生活費などの金銭管理についてお手伝いをしますが、高額な財産や価格の変動がありうる株券などの有価証券などの書類のお預かりはできません。
※ 財産管理が必要な場合は弁護士会が行っている「高齢者・障がい者財産管理センター」などがあります。(→山形県弁護士会) - Q7.この事業で取り扱える日常生活費はいくらぐらいですか?
- おおむね50万円までです。
50万円以上の残額がある通帳を日常的に管理する場合は、残額を別の通帳に移していただくなど、社会福祉協議会が管理する通帳が50万円を超えないようにしています。
それ以上の金額の通帳などの管理が必要な場合は、金融機関の貸金庫の利用など(利用料はご本人負担)をご案内し、その鍵をこの事業でお預かりすることができます。 - Q8.解約はどのような場合にできますか。
- 利用者が解約したいときはいつでも解約できます。また、利用者が亡くなられた場合は自動的に解約となります。
- Q9.福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)と成年後見制度の違いは?
- 成年後見制度(補助・補佐・後見)は、判断能力が低下した方の契約や財産管理、身上監護などの法律行為全般を裁判所の裁定に基づき成年後見人が行います。
福祉サービス利用援助事業は、利用者ができる限り地域で自立した生活を継続していくために必要なものとして、福祉サービスの利用手続きや日常的な金銭管理など「日常生活上の事務的行為」のお手伝いを利用契約を交わして行う事業です。
成年後見制度は、法律の専門家を含む法的支援体制がベースになっているのに対し、福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)は日常的な生活に関わる福祉の専門家を中心とする生活支援体制がベースとなっています。
<制度の比較>
制 度 | 成年後見制度 | 地域福祉権利擁護事業 |
---|---|---|
管 轄 | 法務省 | 厚生労働省 |
法 律 | 民法 | 社会福祉法 |
対 象 | 判断能力の低下した方 | 判断能力の不十分な方(契約できる程度) |
援助者 | 成年後見人 保佐人 補助人、任意後見人 | 専門員、生活支援員 |
相談窓口 | 弁護士、司法書士、社会福祉士等 | 社会福祉協議会等 |
費用報酬の負担 | 自費 (市町村申立ての場合補助あり) |
相談は無料、援助は有料 |
費用報酬の基準 | 基準なし(家庭裁判所が決定) | 基準あり |
手続き | 本人等一定の申立権者が家庭裁判所へ申立 | 本人等が市町村社会福祉協議会へ申し込み(相談機関含む) |
内 容 | 重要な法律行為(財産管理を通じて) | 日常的な法律行為と事実行為 |
代理権 | あり(保佐・補助の場合、申立が必要) | あり(在宅福祉サービスの利用手続き、預貯金の払い戻し) |
監督機関 | 家庭裁判所・後見監督人・任意後見監督人 | 契約締結審査会(山形県社会福祉協議会) 運営適正化委員会(運営監視合議体) |